サイバー攻撃をリアルタイムに可視化、警告を発する「DAEDALUS」 #DigInfo
北朝鮮のサイバー攻撃、背後にハッカー特殊部隊
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- 2014/12/23
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平壌の本当の花形は、長距離ミサイルや核弾頭を開発する同胞に劣らず、熱心にサイバー攻撃に取り組む数千人の北朝鮮の若者たちだ。彼らは、軍隊の情報機関に属する特殊部隊を構成し、周囲とは隔絶した世界のなかで暮らしている。
富裕層と貧困層とを隔てるデジタルデバイドは、おそらくほかのどの国よりも北朝鮮で最も歴然と現れているようだ。
北朝鮮では、最先端のコンピューター技術に精通したエリート兵士の集団が存在する一方で、国民の多くはコンピューターを見たこともなく、ましてインターネットなど使ったこともない。「北朝鮮にはハッカーだけを集めた軍隊がいる」韓国の国家情報院の元工作員はそう語る。「この集団は北朝鮮の敵にサイバー攻撃を仕掛ける訓練を受けている」
■一般社会から隔離されて訓練
金正恩(キム・ジョンウン)第1書記や、彼の側近はいつでも好きな時にインターネットを使っているに違いないが、コンピューター時代における平壌の本当の花形は、長距離ミサイルや核弾頭を開発する同胞に劣らず、熱心にサイバー攻撃に取り組む数千人の北朝鮮の若者たちだ。
こうした若者たちは、軍隊の情報機関に属する特殊部隊を構成し、周囲とは隔絶した世界のなかで暮らしている。韓国の情報筋によれば、科学や技術、エンジニアリングの分野で将来を有望視された若者のなかから選ばれるこの集団は、機密保持を誓い、一般の社会から隔離された場所で暮らし、ハッカーとしての技術に磨きをかけているという。
ソニー・ピクチャーズエンタテインメントにサイバー攻撃を仕掛けてシステム障害を起こしたのは、この特殊部隊に属する専門集団のしわざと考えられている。彼らはソニーの秘密を世界中に暴露し、脅迫によって、米中央情報局(CIA)による金正恩暗殺計画を描いたコメディー映画「ザ・インタビュー」を公開中止に追いやった。この攻撃のきわめて巧妙な手口から見て、北朝鮮のハッカーたちが高度な技術の持ち主であることは明らかで、首謀者やハッキングの手法をめぐってさまざまな疑問が生じ、はては米国内に協力者がいるのではないかとの臆測まで飛び交っている。
北朝鮮はサイバー攻撃を重視する戦略を巧みに隠しているため、北朝鮮を訪れる外国人でも、この特殊部隊の存在や、ハッカーたちの高度な技術を知っている人はまずいない。それどころか、平壌を訪れる外国人にとって悩みの種は、インターネットが使えないことなのだ。たいていの外国人旅行者は、非常に高額な金額を払った末に宿泊先のホテルのコンピューターからメールを送れるようにしてもらえるのが関の山で、すぐに返事が返ってくることなど望めないのはもちろん、オンラインでチャットをしたり、ネットでニュースを見たり、情報や娯楽をダウンロードすることなど論外だ。